2018/12/10

特注オーダーメイド【かぐや姫】


こんにちは 越前竹人形の里スタッフです。今日初雪でした。
12月から冬期営業となり、平日と土日祝では営業時間が異なります。
お時間ご確認の上、ご来店くださいますようお願い申し上げます。


さて、特注品の竹人形がようやく完成・納品となりました。

ご依頼は、「越前竹人形の里の黎明館と同じ【香具夜】を、煤竹で」とご希望でした。
香具夜と書いて「かぐや」と読みます。
こちら↓の画像が、黎明展示館に展示中の香具夜人形です。


越前竹人形「香具夜」師田黎明:作

ご希望の竹材は「本煤竹」をご指定です

本煤竹については前のオーダー品「羽衣」の記事にも書きましたが、越前竹人形の里が一番高級品として扱っている竹材です。昨年、ご縁あって滋賀の収集家さんから仕入れることが出来ましたが、本当に在庫数が限られていますので貴重品です。

やはり、美しいです。数百年古民家の天井で経たこの飴色は。
人工の煤竹もあるのですが、天然は格別です。

特筆すべきはロング髪。長さは50cmあります。
竹の節は作品には使いません。つまり、竹髪は節と節の間を使うため節と節の間が50cm以上の竹が必要なのです。この50cm竹を探すのにかなり時間を要しました。




そして、竹割りという技法でこんな感じに仕上げていきます。



この度、全面ガラス張りのショーケースもお誂えして下さいました。
後ろ姿や髪まで360度鑑賞できるのは非常に嬉しく思います。


扇の浮かし彫り。
こちらも竹人形技法、浮かし彫りは竹人形の衣裳にふんだんに施しました。

かぐや姫 扇 瑞雲浮かし彫り 金粉仕上げ

雲の模様は「瑞雲」。
良いことが起こる前兆といわれる瑞祥柄は、着物によく見られる吉祥文様です。瑞祥の種類はいろいろありますが、月に帰るかぐや姫に似合う文様として選びました。

越前竹人形「かぐや姫」オーダー完成

ご希望に適した材料が見つかるまで1~2年のお時間を頂戴しました。
無事に納品できましたが、お待ちいただいて申し訳ありませんでした。でも非常に納得のいく竹人形が完成しました。

ご縁をいただき、制作の機会を頂き誠にありがとうございました。
保管後のお困り事はいつでも何年先でもお気軽にご連絡ください。

2018/10/14

2019年干支置物「亥」発売開始!


こんにちは 越前竹人形の里スタッフです。
限定縁起干支イノシシ、発売となりました~。

毎年楽しみにしてくださっているリピーター様の声とご注文、新規にご購入してくださるお客様、本当にありがとうございます!お陰様でスタッフ頑張れております。

越前竹人形は全て国産竹を使用、材料の竹の買い付け、竹割りから絵付け梱包まで、全て当職人たちの手作業です。

小さい工房で、数人の職人で対応しているので大量には作れません。そのため欠品でご迷惑をおかけすることもあります。申し訳ありません。
今年も「亥」大サイズが500個、小サイズが2000個の数量限定で販売です。

平成最後の干支になります。ご購入をよろしくお願いいたします。






2018年も残り2か月半で終わります。平成最後の年が干支で一番最後のイノシシとは、キリがよくて気持ちも新たにスタートできそうです。

とはいえ、ハロウィンも済んでないのにお正月の準備なんて、、
確かにそんな気分でもないかもしれませんが。。。お世話になった方に今年最後のご挨拶用としてもご利用いただけています。

「息災」「開運」と縁起良いメッセージが詰まっていますので手土産としてもいかがでしょうか。



ヒルナンデスにてご紹介いただきました!ありがとうございます。










































































2018/09/25

2019年干支置物「亥」発売します。

こんにちは 越前竹人形の里スタッフです。
干支置物がようやくご報告の運びとなりました。

早いもので2018年も残り3か月と少し。越前竹人形の里にとって1年で3本の指に入る繁忙期の到来を実感する秋。そう、今年も干支販売の時期がまいりました。

2019年の干支は「いのしし」。

十二支最後の「亥」年。一周しましたね、12年間頑張りました。そして平成最後の干支となりますね。

いのしし干支の発売日に向かって、縁起干支置物を現在急ピッチで作っています。


こちらは黒色の亥、小サイズです。観賞用としても人気の黒竹(クロチク)で制作。

文字とおり黒竹は黒色なのですが、インクのような真っ黒色ではなく、柔らかい焦げ茶色を混ぜあわせた感じです。
よく見ると点描のような模様がありまして、これは竹が自ら作りだす模様で人間でいうと指紋みたいなもの、で同じ模様はないのだそうです。


無いとなんだか寂しい(気がする)「開運」文字の絵馬作り。紐をつける作業中です。

絵馬プレートの大きさは、干支のサイズに合わせないとバランス悪くなるので全て手作りです。納得のいく仕上がりになります。妥協してません。


ちょっと余談ですが、

イノシシの歴史を調べてみました。縄文時代から存在するそうです。
当時からイノシシの肉は、貴重なタンパク源として重宝されました。当時は牛肉なんてありませんし、肉が貴重品であり大切な家畜だったことも納得です。

ゆえに「猪の肉を食べると万病に効く」と言い伝えられてきており、

無病息災」の縁起物とか、「山の神」と呼ばれていたのも分かります。
現代は、鳥獣被害対策のやっかい者になっていますが縁起良い動物だったのですね。


そして、イノシシはブタの祖先だということはご存知でしょうか。
起源が同じだから・・でしょうかね、サンプル製作時にイノシシを作ってるのにブタになっちゃってる事も起こりました。鼻が難しかった・・と、職人側のつぶやき。


完成品がこちらです。




2019年 縁起干支置物「亥」は、10月上旬に発売予定です。
小と大の2サイズ、今年も数量限定で販売します。

実店舗・オンラインショップで販売です。ご購入よろしくお願い申し上げます!



2018/09/07

特注品オーダーメイド【羽衣】

こんにちは 越前竹人形の里スタッフです。

今回は特注品、煤竹(ススタケ)で制作です。
オーダーのご依頼をいただいて納品した特注品の越前竹人形がこちら、能の演目「羽衣」です。漁師が天女に恋をして羽衣を隠してしまうお話。美しい天女の舞いはどれほど魅了されるものか、漁師との恋は?と色々想像が楽しい各地で伝説が残っているので親しみを感じる方も多いのではないでしょうか。


厳かな能の世界の天女、ご希望により”煤竹”を使用することにしました。

煤竹とは、茅葺屋根の天井に使われており、囲炉裏の煙に数百年の間燻されて自然と飴色に変化した竹。越前竹人形の里では、竹の種類でNo.1の高級品として利用しています。数が少なくて、将来はどうなるのだろうと心配してしまう。

・・ともかく、言うよりも画像を見て頂きましょう。

かやぶき屋根のお家がこちら。
重要文化財として保護されているお家もある、激減しているので超、貴重な建造物です。


その茅葺屋根の天井が下の画像。
三角屋根部分に竹が使われています。画像の竹はまだ白っぽいですが、この下にある囲炉裏の煙を浴びることによってだんだんと黒くなっていくのです。


囲炉裏の煙によって燻されて変色するのは数年では到底無理なこと。
100~200年以上かかってようやく独特の褐色、飴色になったものが煤竹と呼べることがお分かりでしょうか。

最も、天然煤竹だと分かりやすい見かたこちら、


縛られた縄の痕です。縛られた部分は、煙に当たらないので薄く変色するに留まり、このような模様となります。

羽衣は、衣裳がメインです。縄痕の煤竹の模様を使用することでより楽しく観賞していただける竹人形を目指しました。逆に、縄痕を必要としないデザインの竹人形もあるのでご依頼者様との打ち合わせで決めます。

越前竹人形は、煤竹が一番貴重な材料としています。
それは、戦火を免れて100年以上前から家を支え続けて(見続け)きたもので、材料によっては200~300年前のものもあり、手にするとそれはもう美しくて美しくて奇跡です。ロマンや風格さえ感じる独特の艶と色、割れない耐久性、燻されているので防虫も施された優れた材料です。

煤竹の歴史と能の歴史、そして古くから存在する羽衣伝説。色々と思いを馳せつつ飾り楽しんでいただければ嬉しいの一言です。

ご縁をいただき、制作の機会を頂き誠にありがとうございました。

保管後のお困り事はいつでも何年先でもお気軽にご連絡ください。